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ザ・エコノミスト・インテリジェンス・ユニットレポート  5か国同時開催オンライン発表会において アジアパシフィック地域の希少疾患の患者さんを支援する 3つの優先事項を提言

CSLベーリング株式会社(本社 東京都港区、代表取締役社長 ジャン・マルク モランジュ)は、同社の特別協賛によるザ・エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)によるアジアパシフィック地域における希少疾患についての報告書が、本日発行されたことをお知らせいたします。本日発行されたEIUレポートでは、希少疾患の管理を改善するための注目すべき3つの優先事項である、正確かつタイムリーな診断、助成制度の改善、そして医療以外の支援をさらに考慮すべきである点が強調されています。

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同じく本日実施された5か国同時開催のオンライン発表会「Suffering in Silence-声なき声に耳を傾ける- アジアパシフィックにおける希少疾患認知度とQOL向上に向けた取り組み」では、オーストラリア、中国、日本、韓国、台湾のアジアパシフィック地域の5つの国と地域における希少疾患の診断と管理に関する課題の調査報告について、専門家による議論が交わされました。[1]

EIUの報告書サマリー:

  • 本日発行されたEIUの報告書では、エビデンスに基づいた最善のケアを受けている希少疾患の患者さんはわずか3人に1人であることが明らかになりました。
  • この調査へ回答した日本の医療関係者の15%は、今までに希少疾患の患者さんを診察したことがない、と答えています。
  • アジアパシフィック地域全体では、希少疾患の患者さんの94%が承認されていない医療を受けており、医療以外の支援の提供に大きくシフトする必要があります。

世界中で知られている希少疾患は6,000~7,000種類あり、「希少」と分類されているにもかかわらず、アジアパシフィック地域で推定2億5,800万人もの方々が罹患しており、その約50%は子どもの患者さんです。*[2][3][4]

この報告書で、医療関係者は、臨床ガイドライン、当局が承認した医療、および検査または治療の財政支援が不足しているため、希少疾患の患者さんのうち、エビデンスに基づいた最善のケアを受けているのは平均して3人に1人のみであると報告しています。決して見過ごすことのできない数字であり、全体としてとらえると、病気による負担も小さくないことを意味します。

「日本では、数十年前から希少疾病患者を支援する政策を行ってきましたが、EIUレポートの結果を見てみると、知識の格差がまだ大きく、患者さんの生活の質に影響を与えるいくつかの重要な分野での課題が残されています」と西村由希子氏(特定非営利活動法人 ASridアスリッド)は語り、「私たちは、他のステークホルダーと協力しながら、希少疾病の患者さんの将来の展望を改善するために、これらの洞察を活用する必要があります」と述べました。

本報告書では、希少疾患の患者さんに対する3つの注目すべき優先事項に加え、医療政策立案者がさらなる改善を行うために優先順位を付けることができる、現時点で達成可能な、または短期的な目標についても強調しています。データのより良い収集と利用、医療関係者への周知の強化、利用可能な知識のより広範な普及、患者代表とのパートナーシップを通じた社会ケアの統合などです。より全体的で統一されたケアのアプローチを作ることで、希少疾患の患者さんの将来的な展望を改善し、生活の質の向上、十分な財政支援、それに影響を与える医療決定への発言力を保証する機会があります。

調査結果について、報告書の編集者であるJesse Quigley Jones氏は次のように述べています。「アジアパシフィック地域の医療関係者に関する私たちの調査は、希少疾患をよりよく管理するためには、医療関係者のさらなる支援が必要であることをはっきりと示しています。希少疾患を抱える人々のために提供されるケアを改善するために、互いに協力し合い、患者コミュニティと協力したいと考えています。ヘルスシステムは、より協調的で統合されたケアに向けてゆっくりと進んでおり、一部の国/地域では希少疾患コミュニティの医学的および社会的ニーズの両方を考慮したヘルスポリシーの全体的なアプローチが出現しています」

CSLベーリングのPeter Chow (アジアパシフィック マーケティング メディカルアフェアーズ マーケットアクセス担当エグゼクティブディレクター)は、「今回の調査に参加した医療関係者は、患者さんが病気に対する正しい診断と治療を求める上で、大変フラストレーションを抱え複雑な課題に直面していることがわかったと思います。この調査を支援するにあたり、私たちは、このようなギャップと満たされていないニーズに光を当てたいと考えました」

「本報告書が、希少疾患領域のすべてのステークホルダーの間で建設的な議論を呼び、アジアパシフィック地域およびそれ以外の地域で、希少疾患の患者さんとそのご家族の生活の質を改善するという私たちの約束を尊重する何らかの方法になることを願っています」

日本の主要な調査結果:

  • 日本では希少疾患政策が長い歴史(1970年代にさかのぼります)を持つにもかかわらず、回答者の44%がこのような状況で生活する人々を支援する法律(2014年に可決)を知りませんでした。
  • 全ての症例でケアが最適ではない理由としては、適切な治療ガイドラインや承認された薬剤の不足が最も多く挙げられました。
  • 希少疾患を管理する上で最も頻繁に言及された課題は、正しい診断に到達すること(66%)と、専門スタッフの有無(59%)でした。
  • 希少疾患のケアパスやパッケージの設計に関わるべきステークホルダーを考えると、77%の回答者が、患者の関与が非常に、あるいは最も重要であると感じていました。


アジアパシフィック地域の観点から
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  • 医療関係者の知識は、希少疾患の診断と管理を改善するための基礎です。すべての国や地域において、医療関係者はこれらの患者さんに出会うことはほとんどないため、希少疾患の患者さんを診断し、管理するのに十分な知識を持っているとは感じていません。調査対象者の約14%が、今までで希少疾患の患者さんを診察したことがないと報告しました。したがって、適切な時間内に正しい診断をくだすことは、医療関係者が克服しなければならない最大の課題です。
  • 患者さんは、希少疾患コミュニティの変化と行動を推進する中心的存在であり、患者さんの意見を聞く機会が必要です。しかし、大多数の医療関係者は、希少疾患の患者団体が自分の担当地域内に存在することを知りませんでした。変化の最も効果的な決定要因として、最適なケアパスを設計し、医療と政治の両方の分野の主要な意思決定者に行動を促すためには、患者さんの声を聞かなければなりません。
  • 希少疾患の患者さんは、医療を超えて、患者中心のケアと総合的なケアを必要とします。希少疾患を持つ人々は、その疾病に関連する医薬品やケアへの支払いの経済的負担や、移動や雇用に関する社会的不利など、健康状態に関する懸念以上に様々な困難を抱えています。希少疾患の94%で承認された治療が受けられていない状況があり、医療ではないサービスの充実に大きくシフトし、適切な治療が受けられていない場合もあり得る患者さんがよりよい状態で生活ができるように、総合的な支援を提供していく必要があります。[5]

 

CSLベーリング株式会社(日本法人)について】

CSLベーリング株式会社は、生物学的製剤のグローバル企業であるCSLベーリング(本社アメリカ)の日本法人です。免疫・希少疾患領域、救命救急・止血領域、および血友病領域を主要領域としています。
日本において生物学的製剤を専門とする企業として独立以来歩みを重ね、2020年で20周年を迎えました。CSLベーリングは、今後とも日本の医療に、ひいては患者さんやご家族の生活の質の更なる向上に貢献してまいります。
https://www.cslbehring.co.jp

 

CSLベーリング (CSL Behring LLC) について】

CSLベーリングは、生物学的製剤のグローバル企業です。患者さんのアンメットニーズに応えるため、最新のテクノロジーに基づき、血液凝固疾患、原発性免疫不全症候群、遺伝性血管性浮腫、遺伝性呼吸器疾患、神経系疾患などの治療に用いられる製剤を開発、提供しています。また、心臓手術、臓器移植、やけど、新生児の溶血性疾患の予防などに使用される製剤も扱っています。CSLベーリングは、世界でも最大規模の血漿採取ネットワーク(CSL Plasma)を運営しています。
CSLベーリングは、オーストラリア、メルボルンに本拠を置くCSL(CSL Limited 、ASX:CSL)グループの一員です。CSLグループ全体では社員27,000人を擁し、世界70以上の国/地域で救命に寄与する製剤をお届けしています。

We are Driven by Our Promise™
https://www.cslbehring.com

 

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お問い合わせ先
CSLベーリング株式会社 コーポレート コミュニケーション
電話:03-4213-0183 Fax:03-4213-0216

 



[1] アジア太平洋経済協力希少疾病に関する行動計画2018.利用可能:www.apec.org/rarediseases/Action-Plan。2020年5月アクセス。
      
* アジア太平洋地域の人口43億人の6%が希少疾患の影響を受けているとのEIUの推計に基づきます

[2] エコノミスト・インテリジェンス・ユニット・リミテッド。沈黙に苦しむ:アジア太平洋地域における希少な疾患の認識と管理の評価。2020.

[3] 国連人口基金。アジア・太平洋地域人口動向。利用可能:asiapacific.unfpa.org/en/node/15207。2020年5月アクセス。

[4] Batshaw ML,et al.小児期の希少疾患の研究JAMA2014;311:1729-1730.

[5] アジア太平洋経済協力希少疾病に関する行動計画2018.利用可能 :www.apec.org/rarediseases/Action-Plan。2020年5月アクセス。


EIU: アジアパシフィック地域における希少疾患の認知度向上に向けて