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厚生労働省が成人におけるCOVID-19の予防を目的とした 世界初の自己増幅型mRNAワクチンを承認


CSL SeqirusとMeiji Seikaファルマは2023年11月28日に、自己増幅型メッセンジャーRNAワクチン(sa-mRNA)である「コスタイベ筋注用」について、「SARS-CoV-2による感染症の予防」を適応とした成人の初回免疫および追加免疫における国内製造承認を取得したことをお知らせします。

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同ワクチンは世界で初めて承認を受けたsa-mRNAワクチンとなります。この次世代ワクチンは、日本ではMeiji Seikaファルマが商業化を行います。

mRNAワクチンは、免疫システムがCOVID-19を認識し、体内の細胞がタンパク質を産生するための設計図を与えることにより、感染症を予防するものです1。標準的なmRNAワクチンと異なり、sa-mRNAワクチンは体にmRNAのコピーを作るよう指示を出すため、既存ワクチンよりも少ない接種量で免疫応答を増強することができます2

CSLのVaccines Innovation Unitでシニア・バイス・プレジデントを務めるJonathan Edelman M.D.のメッセージをお伝えします。「こうして世界初のsa-mRNAワクチンが承認されたことは歴史的かつ心躍る達成であり、全世界の公衆衛生を守るというCSLの約束が果たされたことになります。この重要なワクチン技術をCOVID-19の感染リスクがある人々にお届けできるよう、当社は世界中の規制当局との連携に全力を尽くしてまいります。」

今回の承認は、ベトナムで被験者16,000例を対象に実施した有効性試験やMeiji Seikaファルマが日本で実施した追加免疫試験を含め、ARCT-154を用いた複数の試験で有望な臨床データが得られたことに基づいています。18歳以上の被験者を対象に「コスタイベ筋注用」を評価した追加免疫試験では、既存のワクチンと比較して、sa-mRNAワクチンが起源株およびオミクロンBA4/5変異株に対して強い免疫応答を起こすことが示されました3。また、必要な量は既存のワクチンと比較して「コスタイベ筋注用」では5 µgと大幅に少なくなりました3

CSL Seqirusのシニア・バイス・プレジデント兼ゼネラルマネージャーを務めるStephen Marlowはこう述べています。「当社は季節性インフルエンザやパンデミックインフルエンザを専門としているため、COVID-19においても全世界の人々の負担を軽減できるよう貢献したいと思います。日本の人々をCOVID-19から守れるよう、重要な役割を果たしていきたいと考えています」。

「コスタイベ筋注用」は、Arcturus Therapeuticsのワクチンプラットフォーム「LUNAR」を使用しています。CSL Seqirusは、インフルエンザおよびCOVID-19等の呼吸器ウイルス疾患に対する新規mRNAワクチンやパンデミック対策の開発におけるArcturus Therapeuticの独占的グローバルパートナーです。

Meiji SeikaファルマとCSLはARCALIS, Inc.と協力し、福島県南相馬市の製造施設で日本におけるmRNAワクチンを一貫して製造できる体制を構築しています。

参考文献

  1. Centers for Disease Control and Prevention. Understanding how COVID-19 vaccines work. Published May 12, 2023. Accessed June 30, 2023. https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/vaccines/different-vaccines/how-they-work.html
  2. Vogel AB, Lambert L, Kinnear E, et al. Self-amplifying RNA vaccines give equivalent protection against influenza to mRNA vaccines but at much lower doses. Mol Ther J Am Soc Gene Ther. 2018;26(2):446-455. doi:10.1016/j.ymthe.2017.11.017
  3. ARCT-154 Phase III Study, jRCT2071220080 https://rctportal.niph.go.jp/en/detail?trial_id=jRCT2071220080

【sa-mRNAについて】

メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン技術は、体内の細胞に特定のタンパク質を産生するよう指示し、免疫応答を刺激して、将来の感染を認識してこれと闘うための設計図を残すことによって感染症を予防するものです。sa-mRNAの特徴は、mRNAのコピーを作ることにより、ワクチンに含まれるmRNAの相当量よりも多くのタンパク質を産生できることにあります。この技術には、mRNAの量を大幅に抑えながら、細胞性免疫応答を増強して保護期間を延ばすことができる可能性があります。

【CSL Seqirusについて】

CSL Seqirusは、CSL Limited(ASX:CSL)の子会社です。CSL Seqirusは、世界最大規模のインフルエンザワクチン供給企業の1つとして、全世界でインフルエンザの予防に大きく貢献しており、パンデミック対策の分野で大陸を超えたパートナーとなっています。米国、英国、オーストラリアに最先端の製造施設を持ち、優れた研究開発能力を有するCSL Seqirusは、卵子、細胞およびアジュバント技術を活用して、世界20ヵ国以上で独自の幅広いインフルエンザワクチンを供給しています。

【CSLについて】

CSL Limited(ASX:CSL、USOTC:CSLLY)は、血友病、免疫不全症候群の治療薬、インフルエンザ予防ワクチン、鉄欠乏症や腎臓病の治療薬など、生命を救う医薬品の豊富なポートフォリオを有するグローバル・バイオテクノロジー企業です。1916年の創業以来、最新のテクノロジーを活用して生命を救う、という約束を原動力に活動してきました。現在、3つの事業であるCSL Behring、CSL Seqirus、CSL Viforを含め、全体で社員32,000人を擁し、世界100ヵ国以上の患者さんの救命に寄与する製品をお届けしています。ビジネスにおける強み、研究開発への集中、卓越したオペレーショナル・エクセレンスを組み合わせた当社のユニークさが革新的製品の開発、そして提供へと繋がり、患者さんの充実した人生を支えています。

バイオテクノロジーの将来性に関する記事についてはCSLBehring.com/Vitaをご覧ください。また、Twitter.com/CSLでフォローをお願いいたします。

詳細はhttps://www.csl.com/をご覧ください。

本プレスリリースは、CSL Seqirus(オーストラリア、メルボルン)が発行するものであり、当社のグローバルビジネスに関する情報を提供することを意図しています。Seqirusの既承認製品の承認状況と医薬品表示に関する情報は、国によって異なる場合があることにご留意ください。Seqirusの製品の承認状況については、各国の規制当局にお問い合わせください。

メディア連絡先

Hamish Walsh
CSL Seqirus, Asia Pacific
+61 422 424 338
hamish.walsh@seqirus.com

CSLベーリング株式会社
コーポレート コミュニケーション
TEL:03-4213-0183